2015-09-25 こずえ 双眼鏡はふしぎふたつのレンズをのぞくと遠くにひとつ鮮明な領域をもつことができる だれにも知られないようにとても早い朝にわたしは森にでかけていって観測小屋にはいってそらにひらけた木々の梢をのぞくわたしのための領域に何かとびこんでこないだろうか息をひそかにけれどこないただ、甘い色の光でいっぱいの楕円の中に透明に風にゆれる、だれにも笑われない場所でただゆれる、青枝がうたっているのを見るばかり