silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

16時2分

 


船の持ち主から

大きな鯛をもらったのは

いつのことだったか

忘れてしまうほど時間がたったのに

冷凍室にいれたままだった

 

早朝から

ま水につけて

充分にやわらかくなったけれど

鯛の口は固くとざされて

何か強く主張しているかのよう

 

いのちがぬけでても

激しくつらぬかねばならぬこと

ないな、いまのところ

 

 

 

9時ちょうど

 


人狼が出た、と昨夜おそくから騒いでいて

まだ血がさわいでいる

外に出ないように、と言われたけれど

いざ外に出れば、商店は開いてるし

役所の窓口も普通に開いてる

危機感がないのはわたしも同じ

絶対安全地域にひきこもるより

死ぬ直前まで生きていたい

 

 

12時40分

 


梁の数を数えてる


一本、二本、

 

何本あったら簡易ではないと言ってもらえるんだろう

なりたての大工と

あまったマッチでパズルを組んでる

 

旧来

わたしたちは犬猿の仲だったのに

こんな風に構造のことを話しているなんて

時代のせいなんだろうか