silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

12時40分

 


梁の数を数えてる


一本、二本、

 

何本あったら簡易ではないと言ってもらえるんだろう

なりたての大工と

あまったマッチでパズルを組んでる

 

旧来

わたしたちは犬猿の仲だったのに

こんな風に構造のことを話しているなんて

時代のせいなんだろうか

 

 

 

また冊子をつくりました。

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こまつ町家文庫さんの「となりの本屋さん」というイベントに是非とも参加したくて、

参加したさのあまり、冊子を作ってしまいました。

 

珊瑚色の表紙にしました。

ちょっと粗末なつくりですが、

手にとってくださる方が一人でもいらっしゃるといいな。

クロージング・タイム

 

次から次に丘にあがってくる人たちが

サーフボードを立てかけては去ってゆく

わたしはスプーンを数えながら

同時に色とりどりのボードの数もかぞえている

 

注文と

作成と

給仕のくりかえしは

波のよう

寄せては返す

 

リズムをくずさない彼女の

あるく軌道のとおりに

時間が進んでゆく

けれど

今日という日が

二十四時きっかりに

終わるとは

けっして言わない

 

測れないものを測るような

遠浅の海の音を聴いている

 

植物のような夜と

白砂に覆われた道、

人々が残したものとともに

 

 

日かげから日なたへ

 

 

駅からでてすぐの交差点

横断歩道のこっちがわに祖父がいた

うしろ姿だけですぐわかる

人の往来のなかで

ならったこともないのに詩吟を

 

ほんと、なんで詩吟なんか

でもその昔やってたのかもしれない

だってインコを飼って可愛がってたってことも

ついこの間まで知らなかったくらいだ

 

かわいた風にほこりが舞う

かすれた声をはりあげてるのに

だれもふり返ったりしない

なんかすごく、ものがなしい

その時点でもまだ

ゆめだと気づかなかった

 

日かげから日なたに

あっちには若いひとたちが次々に入っていくカフェがある

何うたってるんだろう

じいちゃんの声で再生されている詩は

この世のどこにあるんだろう

そんなこと考えてて

目がさめてもしばらくの間

なにから調べたらいいか、とか

この世の広さに圧倒されていたんだ