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silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

なつつばき

 

花をおとしたつばきを前に

こんなふうにわたしも

おとすだろうと思っていた

あしもとに散らばる

花ばな

 

こんなふうに

つばきも

抱えているのだろう

この身のうちに

いつかわたしではなくなるものを

生きているあいだは

ずっと、おもく

 

流れた血は海になる

切られた肉は土になる

断たれた骨は

さらさらの

この世のがれき

風化し大気となる

さあ残ったわたしは

よろよろと歩きつくすまで

抱えるのだろう

落ちた花のように

いつか去ってゆくものの中に

生きるだろう

 

忘れるには

まだはやい

いたましい季せつの

ただなかを

通り過ぎる

なつつばき

なみだが落ちる

雨となる