silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

おしゃべり

花をあげる
泡立つ水をあげる
春をあげる
ぬぎすてられた甲羅も
開かない傘も

 

わたしたち
の中にあなたも入っていることを
みんなが忘れそうになっている

 

火曜日をあげる
眠りをあげる
熟しすぎた苺
大気の中の香り
今おちた糸くずもあげる

 

とてもちいさな夢が
どこからともなくやってきては
わたしたちをさいなむ

 

掃除して
ちらばった服をかけて
椅子のほこりはらって
窓あけて
それでも足りないあなたは
もっと、窓をあける
出てゆくときは
測らなくては
でも
誰も単位を知らない

 

あなたが移動している
その空白を埋めるには
手当たり次第
そこへささげなくては
ささいな
ささいなものを
たくさん

 

花をあげる
泡立つ水を
気泡にゆれる水草
うみつけられた命を
それから
それから