silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

水真臘

あむりたを

すすめられたのを

ことわって

でもどうしても行きたかった

金をつめば

舟がだせる

 

すべりだした舟のうえで

ゆめごこちの

ふなべりにほおづえする

はるか長い歳月をへても

たどり着けない廃都へは

水とともに

ながれつきたい

 

ひとが溶けていった跡が

水の上の蔦のように残る

巨きな球体の森にひびく

まことの春の鳥のさえずり

わたしが揺りおこした波、など

永遠にとどくまでの水面が

わずかに上下しているのを

あまりある目が

観ている

どこまでもみている

 

いく世過ぎても

ゆめとなりつつある

のぞみの中でわたしは死にたい

欲の一閃としてただ

なみあとを引いてゆくだけ

きみに莫大な金を用立ててもらいながらも

舟上で朽ち

その舟さえも腐敗して

水の上のアラベスクとなるだけの

こののぞみ