silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

morning dew

 

 

Swan and Morning Dews。

静かな曲。

 


一音鳴らし、もう一音どこかで鳴れば、音楽になるのだと思う。

白鳥のくちばしから垂れる水音と、どこかの青葉からおちる露。

それだけで。

 


わたしたちは眠りの底からゆっくりとあがってゆく幕を持っている。

ひとつの音となるために目覚めて、音楽とは似ていない日常の中に入ってゆく。

 

 

そしてつめたい空気の中を通過するだけで、半音下がったりする。

 


浮遊する金属板をふむ。

ウォーターリリーガーデン。

きしむ舟。

遠くでひきずられるロープのにぶい音。

 


だから言ったじゃない。嵐が来るって。

きっと飛ばされる、舟や、波や、花々は。

 


固定されていないものだけが

ふわりと次の時間へ進むのだと思う。

飛ばされないわたしの日常を留めているボルトを

いそいでゆるめる。

その朝。

 

らせんが回る音。

鳥の声。

次の音。

それは、わたし。