2015-04-24 出現 箱庭神話 わたしは 命を脱いで 腐敗していた 土とともに島となるまでの過程を たどろうとしていた 火が焚かれ 火がきえた するとわたしがきえた いま、静かな灰がある たましいのない夜のなかに 音がなだれこむ たましいのない夜のなかに 誰か 火を焚く 消える しかし焚かれる火はある それがわたしだ 生きすすむものたちの 寝息にみたされている明け方までは 温度のなかにすまい 次の火のために息をとめてまっているわたしの それが最後の姿だ