silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

レプリカ

 

 

わたしたちは

ときおり修復のために

巡礼のような旅に出る

みちみち

ゆるやかに回復するからだ

 

からだの奥に

水も声もたましいも

灯らない場所がある

 

樹脂の血

樹脂の精神

 

あいそう

あいされようとして

築かれてゆく

ささやかなかたちも

ほんとうは

世界中にはりつめている

うるおしいことばの数々を

複製したにすぎない

 

かなしみ

 

わたしたちは

とぼとぼと

まずしい歌をくちずさむ

水も声もたましいも

ともらない歌