silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

 

 

 レテ’リーリでは雪の代わりに

 数字が降ってくる

 しろい

 つめたい冬の路地で

 数学者たちが

 昆虫採集のように掬い集める

 

新しい条例が公布されると

ひとりびとりの市民に

またひとつ

代数が追加される

くるしみは

理想のなかにさえもありつづけるもの

木枯らしのように子どもたちの

答えのない質問と

果たされない盟約を交わす声が

通り抜けてゆく

 

ああ

明日にも

身動きのできない記号が浮遊したままふるえる冬が

やってくるだろう