silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

アウリたち

 

 

飼料のうちアウリたちとは

意思疎通ができたように思う

 

アウリたちの故郷もまた失われたのだろう

遥か昔に、と

ままならない時間の航行のなかでかなしんでいた

 

わたしの弟は

数年前にかわいい犬を飼った

弟も犬も今どうなったろう

 

晩餐の日アウリたちは

四人失われる

「自分は食われても子だけは生かしてやりたいと

 長らく思っていたがこのほど

 最も生きたいのは私なのだと分かった」

物静かな一人が言い残して去っていった