2014-08-26 ブラッスリ・ノヴァ 星をふむ日 四時になると かれらのうちで配膳係とされるものが しずかにやってくるのだった 錫の反射光をもつフォークを 船首の方角から船尾の方へ向かって 等間隔においてゆくのだ たん たん たん たん カアリヨ川を渡るよりも長いテーブル と食堂住人たちはよく笑ったものだ 知らない恒星の白いひかりを やわらかく散らす金属の等間隔 かれらの食物はかれらにしか掬えない わたしはいつも空腹だった たん たん たん たん 岸から岸へ置かれてゆく足跡に乗って さみしさを渡らせるのだった