silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

ブラッスリ・ノヴァ

 

 

四時になると

かれらのうちで配膳係とされるものが

しずかにやってくるのだった

錫の反射光をもつフォークを

船首の方角から船尾の方へ向かって

等間隔においてゆくのだ

たん たん たん たん

カアリヨ川を渡るよりも長いテーブル

と食堂住人たちはよく笑ったものだ

知らない恒星の白いひかりを

やわらかく散らす金属の等間隔

かれらの食物はかれらにしか掬えない

わたしはいつも空腹だった

たん たん たん たん

岸から岸へ置かれてゆく足跡に乗って

さみしさを渡らせるのだった