silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

距離のない道

 

わたしをさらった

かれらが

ひとつひとつの要素となって

けれどささやかな構造でしかない通路を

わたしは南へすすんでいる

 

わたしを失った土地へは

こうして向かうものだ

 

ゆれる触手が

ゆれる

かれらの弱いひかりはくらく

わたしの行くてはみえない だが

八年に渡る旅を今日終えよう

 

夜の中にうかびあがる高層建築の

かずかずの窓の内側は

眠りつづける

かれらのゆめの中の水に満たされている