2014-06-02 ここで、さよならだ ねむるための庭 わたしは常にわたしから脱出するというひとつの運動だともいえる 海峡をこえる国境をこえる境とよべるかぎりのものをひたすらにこえる着脱式のものはすべて置き去りにする名前さえも 成形の途上のあたらしさが次から次に湧きあがるからだ脱ぎすてるふりほどく終了したものたちはわたしを名乗るな わたしは増殖するぬけがら置き去りにした名前をおもうたびかなしいどうかおだやかな故郷のように眠っていろ このしずかな別れあたらしさに引き裂かれるわたしはこうしてわたってゆく