silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

ある朝

その日の朝はうすくかなしい匂いがしていた

すがすがしいの意味を考えていた

不安なような

もはや何もかもどうでもいいような

けれど水を飲まなければいけない気がして

うすぐらいキッチンで水を飲んだ

 


家を出て

点描された風景のなかを歩いて

みんなのところへ行く

かたちが散ってゆくまぎわの街の上に

千の青色がかさねられた空がおりてくる

いきすがら

外をごらんよ、と母に伝えたいと思った

けれども多分あまり意味がない

 


白い湖の真ん中で

みんなは舟に乗って待っていた

わたしはときおり濃淡がかわる灰青の点を

飛び石のようにふみすすみながら

舟へむかった

そしてもう一歩のところで

そとをごらんよ、という音が

反射する水面になって

まぶしくわたしをつつんだのだった