2016-06-17 1時(深夜) 貝のはく泡が わたしのせまい部屋の中に はじける 息がにじみあう 同じ塵の中に漂う粒子である わたしたちは 食べ食べられながらともに どこへいくのだろう ぷち、ぷち、 ぷち 静かな夜
2016-06-17 you コロニアルデイズ 「われわれには水風呂はよくないのかもしれぬ」 「月曜日に入った水風呂のせいか 土曜になっても調子が悪いのだ まったくこいつらときたら正直すぎるよ おれは水風呂がすきなのに」 夫は免疫異常の病持ちで 自分の細胞と自分が切り離された暮らしをしている だから時々、一人称がわれわれになる 「われわれ、っていうけど、あなた自身のことでしょ」 「そうそう。おれは集合体なの。」 わたしは一人の男と結婚したつもりだったが いまはとある細胞の一団と暮らしている