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silentdogの 詩と昼寝

詩をおいてるばしょ。更新はきまぐれ。

そこにたどりつく夢

果樹よ みはたわわか きょうわたしは帰る だれもいない故郷 だれも食べることない実が 熟れて落ちて土に帰るなら わたしも帰る 静かな庭に 沈みおちる 音もなく 過ぎる いく月終える 落葉埋もれる 鳥なく 声なく 目を閉じねむるそこに わたしも帰る 果樹よ …

砂の図書館

正午、書物はおおきく開かれていた ことに食べ物にかんしては 海の時代にも 丘の世紀にも 同じ展開をくりかえしているだけである 午後 テーブルの上を果樹園に似せる よろこびは あらゆるものの血のなかにすむはずだ 回路をひらいても ひらいても ひらきたり…

祖父の花見

祖父は7年ほど前に亡くなった。かぞえてみて、もうそんなに前のことなのか、と驚いた。頑固で我が強く、見えも張るが、一本つよい芯が体の中に入っていて、というのは祖父の世代の人ならば誰でも通じるところがあるのかもしれない。祖母にはよく手をあげた…

水真臘

あむりたを すすめられたのを ことわって でもどうしても行きたかった 金をつめば 舟がだせる すべりだした舟のうえで ゆめごこちの ふなべりにほおづえする はるか長い歳月をへても たどり着けない廃都へは 水とともに ながれつきたい ひとが溶けていった跡…

はちみつ

冬から夏へかかる橋には しずかな傾斜がある まるくゆるやかに おりてゆけば 熱い闇のなかに 不老不死は待っている

little heart

その鈴を鳴らす はるか西方から到来する風 いまここに音がみちている 眠るものたちに ささやかにつむがれている経典の匂い わたしは髪を梳いている